ひとつだけ














欲しい物は
何が何でも全て手に入れてきたつもり



お洋服だって
可愛いと思えば
いくら時間がかかっても手に入れたし


アクセサリーだって
その場で欲しいと思えば
自分で買えなければ
友達や家族に買ってもらった


でも全てそのうち
飽きてしまう

お洋服なんて可愛いと思っただけで
袋詰めにされたまま
クローゼットの奥底にしまわれて


アクセサリーなんて
小さいから直ぐ何処かへ消える



食べ物なんて
食べたら直ぐにお腹の中へ消える


私の欲している物はなに?


物?  いいえ、物なんて飽きてしまう

思い出?  いいえ、思い出なんて忘れ去られてしまう

愛情?  …愛情なんて欲しいと思った事はない


どうせいつか、お互いの愛を
貪りすぎて、無くなってしまうのだから



私を縛っているものはなに?



あいじょうなんて消える

あいのささやきなんて嘘ばかり

にんげんなんて信じられない



そう思ってしまう私は皮肉者なのでしょうか


ただの臆病者なのでしょうか


ただ進むことを恐れている子供なのでしょうか



人を愛せない、空っぽな動く物に過ぎないのでしょうか